さようなら、憂鬱な木曜日

読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

さようなら、憂鬱な木曜日

サラリーマンの投資ログなど

松井秀喜が一度も振らなかった6打席目の真相とは? 爆笑問題が語った見逃し四球の本当の意味

スポーツ・エンタメ

まだ記憶に新しい年末のTBS特番で、松井があの有名な5打席連続敬遠の投手と再戦するというので、これは面白そうだなと思って視聴した。
結論から言うと、21年間の時を経た6打席目はフォアボール。2-3から松井は低めのきわどい球を見逃した。
私はこの結果を見た時、「え、フォアボールかよ?」と思って拍子抜けした。そもそも、松井は私服のままで腕時計も外さずにいたので、(最初からやる気あったの、これ?)とあまりよくない印象を抱いてしまった。せっかく河野投手は21年越しの悔いを晴らそうとしてるのに、松井はそんな姿勢なのか、と。
しかし、その時立ち会っていた爆笑問題が、元旦に放送されたTBSラジオ爆笑問題カーボーイの中で、その真相を語っていた。非常に興味深く、松井秀喜という男を改めて認識させられる内容だった。

 

■6打席目の真相「最初から振る気はなかった」
太田:あの松井が、5打席連続敬遠の明徳義塾の投手と勝負するっていうんで、我々現場で見ていたんですけど、…一回も振らないんですよ!?フォアボールですよ?これはテレビ的にどうなんだ?っていう
田中:これは(テレビ的にどうなんだ?っていうのは)正直思った。たけしさんも俺も、(フォアボールの後に)「もう一回、ちょっと振ってみましょうか」って、これはテレビ的にどうかなって思って言ったんですよ
太田:でもね…、俺はこれ、もしかしたら、って思った。
田中:そう、太田さんが最初に、「いや、これでいいと思う」って言ったじゃないですか。それで、まあそうかもしれないけど、って思ってたら、松井さんがニコニコしながらこっち来て、「あのね、僕、実は、最初から振る気はなかったんですよ」って。えー!?って思うじゃない。ところが、すごい考えてて、結局河野投手と松井さんっていうのは、甲子園で5打席連続敬遠しか経験してないわけですよ。それから21年経って、「今回、僕は初めて(河野投手の)ストライクを見ることができた。僕は彼のストライクが見たかった。見れて満足です」って言ったんだ。「だから、全く振る気はなかった。フォアボールでも三振でもどっちでも良かったんです。僕は打つ、とかじゃなくて、ストライクが見たかった」
太田:もう涙でそうになったね。それで、松井選手は「本当の勝負はこういうかたちじゃなくて、ちゃんとユニフォームを来て、彼も自分のチームで、僕も仲間を連れてきますから、それでやりましょう。テレビとかじゃなくて」お互い真剣勝負でやろうよって、それだけ大事にしてるんですよ。なんて真面目な男なんだろう、と。

 

■松井秀喜という男の誠実さ
私はこの真相を知って、松井秀喜という男の誠実さにひどく心を打たれた。彼は相手の河野投手にも、そして何より野球に対して誠実だった。あそこで、並の思い入れなら、テレビ的な雰囲気に流されて、打ってダメだったー、とか、良い当たり打ったー、とかそんなちっぽけなもので終わっていたのかもしれない。しかし、彼は打たなかった。「やるならちゃんとやろう」と言った。
あのテレビの企画において、松井は「河野投手のストライクを見たい」、河野投手は「松井と真剣に勝負したい」という気持ちを持って臨んだ。そして、それは両者ともに報われたと思う。松井は振る気はなかったが、河野投手は思い切り勝負しに行ってのフォアボールだった。悔いはないのではないだろうか。
人は誰しも、他人にはわからない大切な物を持っていて、ときおりそれを馬鹿な大人たちが無茶苦茶にしようとする。それを今回、松井は確固たる意志を持って、守った。本当に感動した。本当に守りたいものは、自分で守らなくてはいけない。それを改めて気づかせてくれた、松井の6打席目だった。