さようなら、憂鬱な木曜日

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さようなら、憂鬱な木曜日

サラリーマンの投資ログなど

「杭打ちデータ偽装問題は担当者一人に責任を押し付けるのか」 問題の本質はそこじゃない

ニュース

横浜市のマンション・パークシティlala横浜の杭打ち工事のデータが偽装・改ざんされていた問題が、毎日のようにニュースを賑わしている。本当に恐ろしいことだ。住居というのは究極的に安心できるところでなくてはならないし、手抜き工事でなされたマンションに住む住民の気持ちを考えると、本当にいたたまれない気持ちになる。
連日の報道で、販売した三井不動産レジデンシャル、元請けの三井住友建設、施工業者の旭化成建材の社長が住民説明会に出席し、今回のデータ偽装に至った原因などを説明している。

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実際の施工を手がけた旭化成建材の前田社長は、取材陣にこう答えた。

 ――データの改ざんは意図的だったのか。
 「断定はできないが改ざんはミスではなく悪意を持って施工不良を隠そうとしたとみている」

 ――データ改ざんが起きた原因は。
「調査を進めなければ分からない。8本の杭(くい)が強固な地盤に未達だと(担当者は)分かっていたとみられる」

 ――データの改ざんに関わった担当者は。
「杭の施工は二人一組で担当する。機械オペレーターと施工管理者だ。改ざんに関わったのはおそらく1人で弊社の施工管理者だ。キャリア15年のベテランといえる」
(引用:nikkei.com)

 まず、事実を伝えなければいけないことはわかる。誰がどういう状況でデータの改ざんをしたのか。スタートはそこからだ。しかし、もしこの問題について、誰がやったか、で終わってしまうと非常にまずいことになる。問題の本質は、なぜ起こったのか、である。そこを明らかにしなければ、絶対に同じことが起る。

 

■担当者一人に責任を押し付けるのか
私は今回の旭化成建材の社長の話を聞く限り、「もしかして、実際に改ざんした担当者一人に責任を押し付けようとしてはいないか?」と感じた。これはとても恐ろしいことである。
確かに、データを偽装した担当者の罪は重い。彼はしかるべき処分、あるいは処罰を受けるべきだと思う。しかし、本当に問題なのは、改ざんができてしまうような組織の体制と、彼がそうせざるを得ない状況にあったのではないか、ということである、
今回の件を調べてみると、担当者がインフルエンザで休んだ二日間はデータが取れておらず、そこで他物件のデータを流用した、とあった。さらに、データを記録する装置のスイッチを入れ忘れるなどして、データ管理がルーズになった、とのこと。
私はまず、このデータ管理のフローがおかしいと思う。マンションの杭打ちなんて非常に重要な基礎工事を、なぜほぼ一人が担当しているのだろうか。そして、ほぼ誰もチェックをしないまま、元請けゼネコンへ提出できてしまうのか。旭化成建材の体制を疑うし、改ざんされたデータに気づかない三井住友建設側にも体制の落ち度はあると言える。
担当者をトカゲのしっぽにして、本体は逃げてしまおうなんてことは絶対に許されない。今回の件は、おそらく組織的な問題が本質であるのだと思うし、そこには、人材不足、また厳しい納期を押し付ける不動産業界の闇が見え隠れするのだ。

おそらく、今回の件に関して、三井不動産レジデンシャルは「とんでもないもの売らせやがって…」と思い、三井住友建設は「とんでもない手抜き工事しやがって…」と思い、旭化成建材は「あの担当者の奴め…」と思っているだろう。
しかし、この問題は、マンションに関わった全ての会社が責任はある。そこは絶対にぶれてはいけない。
三井不動産レジデンシャルには“売った責任”があるし、三井住友建設には“発注した責任”があり、旭化成建材には“施工した責任”がある。私は、この三社の社長が三人並んで会見をしないのはおかしいと思う。

 

■安心して住める日本の住宅を
不動産業界における三井財閥のブランドは、素人の私からしてみれば絶対的なものである。三井不動産から買えば安心だろう。それなりの値段が張っても、安心代として払う価値はある。そう思ってきた。しかし、三井が手がけた物件でこのような事件が起きてしまうと、もう何も信じられなくなる。これから、旭化成建材が手がけた建物の一斉調査が始まるようだが、もしここで同じような問題が噴出してきたらどうなるだろう。
ワールドビジネスサテライトの取材で、建設業界の専門家が言っていたが、これは「氷山の一角」である、と。今回は手すりのずれという形で目に見えて発覚したが、目に見えない手抜き工事は全国的に広く横行しているようだ。
あまり良いイメージがない不動産業界は、これからどうなっていくのか。根本的な改革が求められる。

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