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「イニングまたぎ」はなぜいけないのか? プレミア12における印象的な続投失敗

スポーツ・エンタメ スポーツ・エンタメ-イニングまたぎ

野球中継を見ていると、解説者が「“イニングまたぎ”は注意しなければいけませんね」などと言っているのをよく聞く。
「イニングまたぎ」とは、わかりやすいのが、9回に出てくる抑えのクローザーが諸般の事情で8回から登板し、そのままイニングをまたいで9回も登板するケース。あるいは、8回を任されているセットアッパーが、そのまま9回も続投するケースなどが考えられる。
つまり、通常は1イニングを抑えることが仕事の投手が、試合展開によって次のイニングを投げることを言う。

この「イニングまたぎ」は昔から、注意しなければならないと言われている。私も長年野球中継を見ていて、素晴らしい投球を見せたリリーフ投手がイニングをまたいだ途端に乱調する光景を何度も見てきた。

記憶に新しいのは、先日行われたプレミア12準決勝日本vs韓国の試合。9回まで3-0でリードしていた日本は、8回をピシャリと抑えた則本投手(楽天)をそのまま9回に送り出したが、イニングをまたいだ則本はまるで別人のようなひどいピッチングでピンチに見まわれ1アウトも取れずに降板。結局試合は3-4で逆転負けした。

 

■「イニングまたぎ」はなぜいけないのか?
私は昔からなぜこの「イニングまたぎ」が危険なのか、非常に謎であった。どうして、自軍の攻撃を一度挟むだけで、こうも投手は変わってしまうのだろうか。

そんな折、日経新聞を読んでいたら、元横浜ベイスターズ監督の権藤博さんが、そのものズバリ「イニングまたぎ」の危険性について解説してくれていた。

問題は味方の攻撃の間の「待ち時間」にある。パッと出て、さっと1イニングを抑えて終わりなら、投手も何も考えずに済む。ところがイニングまたぎになると、あれこれ考えてしまうのだ。

最初の回を完璧に抑えたときが特に危ない。ベンチもスタンドも「もう安心」となる。だが投手は何が起こるかわからないと思っているから、待っている間に九回もびしっといかねばと自分にプレッシャーをかけてしまう。
(引用:日経新聞 悠々球論

 なるほど。元投手ならではの心理的解説だ。実に的を射ている。権藤さんは、元部下で球界を代表したリリーフである大魔神佐々木主浩や、先日引退した斎藤隆などの名前を出して、彼らもイニングをまたぐと駄目だった、と述べている。

投手、特にリリーフ投手というのは、テンションの上げ方というのがとても重要なのだろう。一度燃やしたテンションは長くは続かないし、一度消えてしまったら再度点火するのは難しい。
高レベルで実力が拮抗したプロ野球の世界だからこそ、そういったメンタル面での影響というのは、結果に大きく関わってくるのだろう。

 

■日常生活の「イニングまたぎ」をしてはいないか?
「イニングまたぎ」をして失敗する投手を見ると、「監督(あるいは投手コーチ)は欲張り過ぎだ」と思ってしまう。そもそも、分業化された現代のNPBにおいて、セットアッパーやクローザーは1イニング抑えればその日の仕事は完了だ。それを欲張って、もう1イニング、という魂胆がそもそもいけない。
これは日常生活にも言えることだ。食事はゆっくり噛んで、満腹になるまで食べない。仕事はよほどのことがない限り、定時で終わらせる。飲み会は1次会まで。周りを見ていると、日常生活でも「イニングまたぎ」をしている人が多いような気がする。物事がうまく行ったら、そこでやめておくのが一番良い。そうすれば、次に始めるときに、また良い状態で始められる。