さようなら、憂鬱な木曜日

読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

さようなら、憂鬱な木曜日

サラリーマンの投資ログなど

漫画キングダム作者原泰久さんの『情熱大陸』を観て思ったこと

エッセイ エッセイ-漫画家原義久

録画していた情熱大陸を観た。

週刊ヤングジャンプにて連載中の大人気漫画「キングダム」の作者である、漫画家原泰久さんを特集した回だった。

私は、「キングダム」という作品を読んだことがなかった。

累計2600万部越え、テレビアニメ化もされ、私の周りでも「面白い」という人がたくさんいた。

私は基本的に、多くの人が面白いという漫画や映画は読んだり観たりしたい。その結果、面白くなかったとしても、それはそれでその面白くなかった理由を分析するのが面白いからだ。

しかし、私はこれまで「キングダム」を読んでこなかった。その理由は一つ。「絵が好みじゃない」からだ。

ある作品を読む、読まないの転換点は、私の場合、案外そんな些細なことだ。あるいは、病院の待合室などにキングダムの1巻が置いてあったら、そこからのめりこんでいたのかもしれない。

 

原さんは、元々電機メーカーに勤めるサラリーマンだったらしい。しかし、27歳の時、何のツテもなく会社を辞めてキングダムを書き始め、その結果が今につながっている。

連載当初は人気も低かったが、自分の作品に信念を持ち、スラムダンクの井上雄彦氏からのアドバイスを参考にした結果、今もっとも人気のある漫画連載となった。

私が非常に好きなエピソードが、原さんが、サラリーマン時代の同僚たちを作品のキャラクターにしているということだった。

性格や顔をモデルにして、名前も苗字と名前の頭文字を取ったりして、登場させている。

サラリーマンというのは、良くも悪くもいろいろな人に合う。内部の人も外部の人も、いろいろな人がいる。自分では選べないし、すごく嫌な人もいる。

それがひとつの社会経験であろうと思うし、漫画家という職業にとっても、それは非常に重要な経験だったのだろうと思う。

私はこのエピソードを聞いた瞬間、「この人の描いたマンガが読みたい」と強く思った。

 

漫画の連載は、体力的にも非常に厳しいものだと思う。原さんも、毎週連載の原案を考えるのに、仕事場に籠城して苦悩している。それを毎週続けるのだから、精神的にもかなりの負担があるに違いない。

原さんのデスクから常に見えるところに、あるメールのコピーが置いてある。それは、アシスタント時代の師匠井上雄彦氏からのメールである。

キングダムは今がんばり時のようだね

がんばれ~

 

特別な作品、作家になりたいのか

それとも普通の作品、作家でいいのか覚悟のほどを

今問われているということでしょうな。

 

最大限自分らしくがんばれ~

(井上雄彦氏からのメールより)

 おそらく、心がくじけそうになったとき、原さんはこのメールを見るのだろう。ぐっときた。

 

『情熱大陸』の中では、作品の中身については断片的にしか触れられていない。「秦の始皇帝になる人物とそれを支える主人公」という説明だけだ。

私は「キングダム」にワクワクしている。何も知らない、知らないからこそ、どんな漫画なんだろうと、想像力を膨らませて興奮している。

 

冒頭で、キングダムを読まなかった理由を「絵が好みじゃない」と言ったが、考えてみれば、私がもっとも好きな漫画の一つである『ジョジョの奇妙な冒険』も、絵が好みじゃないと言って、しばらく敬遠していた。

読むのが楽しみだ。