さようなら、憂鬱な木曜日

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さようなら、憂鬱な木曜日

サラリーマンの投資ログなど

「電車で化粧をする行為」はマナー違反なのだろうか?

エッセイ エッセイ-電車で化粧

今日、映画を観に行くために電車に乗っていたら、前の席に座っていた女性が、手鏡を片手にせっせとファンデーションを塗っていた。

うわっ、と思った。電車の中で化粧をしている、と思った。ドン引きしてしまった。

彼女は恥ずかしげもなく、堂々と、電車の中で化粧をしていた。

この行為が気になったのは、先日、「電車の中での化粧」がいろいろと話題になっていたからだろうと思う。

 

「うわっ」と思った自分に驚いた

もともとは、東急電鉄が出したマナー広告が発端である。

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この広告が大きな批判を呼んだ。そして、化粧をしている側の女性が書いた記事も多くの共感を呼んだりしていた。

電車で化粧させてよおおおお

私はこの議論が巻き起こっているとき、あまりそのことについて考えてなくて、「ふーん」という感じで流してしまった。

今までにも「電車の中で化粧をする女性」には会ってきたのだろうが、そこまで気に留めてなかったのかもしれない。

しかし今日、実際に会ってみて、「うわっ」と思った。

自分が「うわっ」と思った、ということにちょっと驚いた。この人は、公共の面前で、お化粧をしている。身だしなみを、公共の場でしている。本当は、家を出る前にやるべきことを、他人の目の前でやっている。恥ずかしくないのだろうか、と思った。

先日の議論が頭にあったから、ここまで気にかかったのだろうか。そんなことを考えながらいると、しばらくして女性は化粧が終わったようで、しおらしく手を膝に当てて目的地までじっとしていた。

 

他人から見てどう思われるか

私は彼女が化粧を終えた後も、ずっとそのことについて考えていた。そうして、ある瞬間で、ふと思った。

この女性に対して、「失礼だ」とか「マナー違反だ」とか言うのは、ちょっとかわいそうじゃないだろうか、と。

マナー違反とか礼節は、「他人から見てどう思われるか」がひとつの基準だと思う。そういう意味では、電車の中でのお化粧は、個人的にはグレーゾーンなのではないか、と思っている。

少なくとも、私は、冷静になって考えてみたら、一瞬「うわっ」と思ったものの、別にそこまで不快だとか失礼だとか、ネガティブな感情は湧いてこなかった。

車内は土曜の朝でガラガラだったし、そのことも考える必要があるのかもしれない。

ガラガラの車内と、混雑した車内では、話が違ってくる。今日の私が遭遇した状況においては、オッケーなんじゃないだろうか、と一人で納得していた。

人には人それぞれの事情があって、彼女は、どうしても今日お化粧をする時間がなくて、仕方なく電車でしていたのかもしれない。すごく忙しいのかもしれない。寝ていないのかもしれない。

そういうことを考えると、例えば今日の彼女に誰かが、「公共の場でなんとはしたない!化粧なんかやめろ!」と誰かが言い出したら、私は彼女側についたのだろう。「ちょっと落ち着きましょう、彼女にだって事情があるんでしょうから」と怒る人をなだめたかもしれない。

 

美意識を他人に強要すること

この「電車で化粧」問題は、美意識という問題が非常に深く絡んでいると思う。

電車で化粧をする人を許せない人は、「女性が人前で堂々と化粧をするのははしたない」という考えが根底にあって、そういうはしたない女性を見るのが不愉快だ、というアウトプットにつながっているのだと思う。

しかし、それは、飽くまで個人の美意識の問題であって、その人にとってそれがはしたない行為、というだけだ。ある人にとっては、それは、何にも感じないことなのかもしれない。しかし、それを他人にまで強要しようとは思わない。

他人にはまた別の美意識があって、その人にとっては、「電車で化粧」は美学に反しないのだろう。それは、生き方であり、他人に強要されるものではない。

 

他の人に迷惑をかけているか

それから、意識的な問題とは別に、もうひとつ考えなければいけないのは、他人に対して物理的に迷惑を掛けているか、ということである。

前述したが、例えば混雑する車内でお化粧をするのは、ちょっとどうかな、と思うし、メイク道具をポーチから出し入れして、隣の人に肘などがぶつかるかもしれない。それはちょっと迷惑だろう。

それから、ファンデーションなどの粉も飛ぶかもしれない。隣の人のスーツにつくかもしれない。混雑した車内では、やはり控えた方がいいだろう。

空いている車内でも、粉を座席へ飛ばしたりするのは、もちろん迷惑行為だ。(粉を飛ばすほどダイナミックにお化粧をする女性はあまり見たことがないけど…)

それから、ひとつ思ったのが、「混雑する朝の通勤電車」というのは、通常とは異質の空間だと思う。何かイライラが充満して、張り詰めた空気であり、いろんなことが許されない気がする。

そんな車内でお化粧をするというのは、「イライラしている人をおちょくっている行為」に近いのかもしれない。それは車内の空気の方が異常だと思うんだけど、そんな気もする。

 

まとめ

いろいろと書いてきたが、この問題について、少なくとも、私はある状況下では問題ない、と思っている。

しかし、ただ単に、私がそう思っているだけであって、いろいろな人の意見を読むと、どんな状況でも不愉快だ、と思う人もいる。不愉快と思う人がいるのは事実だし、誰かが不愉快に思う可能性のある行為は、慎むべきなのだろうと思う。

ただ、実際に不愉快だと思う人がどれだけいるのだろうか、というのは、ちょっと知りたい。

個人の受け取り方なんてそれこそ千差万別で、極端な話、例えば1万人に1人だけが不快と思う行為ならば、それはその人の特別な趣味嗜好であって、公共の場における議論としてはふさわしくない。

この問題について、議論が巻き起こるということは、よく思わない人がある一定数いる、ということの証左でもあるのだけれど。

それから、「すっぴんであることの方が不快」という意見は、切り離して考えるべきだと思う。それは、同列で語るべきことではない。

同様に、「化粧することが常識なら、勤務時間内に化粧をさせろ」や「化粧の時間が取れないほどの仕事なら辞めた方がいい」というのは、少し先に進みすぎている。この問題は、確かに波及範囲は広いけれど、もう少し原点の周辺で考えるべきものだろうと思う。

 

余談だが、私は大音量で音楽を聞いて音漏れさせている人の方が、よっぽど不快だ。