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サラリーマンの投資ログなど

映画『マネー・ショート』の感想と作中に出てくる金融用語の解説/リーマンショックの基礎知識

スポーツ・エンタメ スポーツ・エンタメ-マネーショートの解説

映画『マネー・ショート 華麗なる大逆転』を観てきました。

『マネー・ボール』を書いたマイケル・ルイスが原作で、リーマン・ショックを題材にした映画ということで、期待を胸に新宿TOHOシネマズに向かいました。(本当はスターウォーズを観に行ったのですが、映画館に着いてからすでに公開中と知り、予定変更して鑑賞しました)

率直に言って、この映画はリーマンショックがなぜ起きたのかということ、それに関連するいくつかの金融用語を知らないと、最初から最後までまったくチンプンカンプンで終わってしまう映画です。

作中でも解説めいたシーンはあるのですが、ある程度経済金融をかじっている人でないとわからないような解説でした。分かる人には分かるだろうけど、そうでない人にとっては退屈な映画になってしまうような、そんな気がしました。

しかし、リーマンショックの仕組みや用語がわからないだけで映画が台無しになってしまうのはもったいないと思います。完全に理解しなくても、ふわっとどんな感じなのかだけでも理解していれば、楽しめると思います。

そこで、このブログではリーマンショックはなぜ起きたのか、と作中で頻出する(100回以上は出てきた気がする)3つの金融用語を中心に初心者向けに解説をしてみたいと思います。

鑑賞前に本記事を読んでいただいても、全然大丈夫です。まさか、リーマンショックのオチを知らない人は居ないでしょうから。

 

リーマンショックはなぜ起きたのか?

リーマンショックの元凶はサブプライムローン問題です。

サブプライムローンというのは、所得の低い人たち(サブプライム層)に対する高金利の住宅ローンです。例えば、日雇いの肉体労働者であるとかウェイトレスに対して、ほぼ審査なしでローンを組んでいて、そんなローンがアメリカで大流行していたわけです。マイホームが持てるのなら喜んでローンを組む、そういう人が当時のアメリカにはたくさんいたのです。

このローン債権はリーマンブラザーズやメリルリンチといった投資銀行が、こぞって住宅ローン業者から買い取っていました。だから、住宅ローン業者は、債務者の審査もろくにしないで甘い言葉で住宅ローンを組ませたわけですね。そうすれば、投資銀行が買い取ってくれるのですから。

残念なことに、上記の投資銀行はこのサブプライムローン債権を、いろんな金融派生商品(デリバティブ)に組み込んで運用したり売ったりしていました。高金利なのでリターンは高く、投資家には魅力的なように思えました。だから、言ってみればサブプライムローン市場が崩壊すれば、影響を受ける人が無限に広がっていったわけです。

サブプライムローンが大流行していた当時、アメリカは空前の住宅バブルになっていました。だから、50万ドルで購入した住宅のローンが払えなくなったとしても、日毎に住宅の価格が騰がるので、ちょっと時間が経てば65万ドルとかで売れるわけです。だから、ローンの焦げ付きというのは、あまり考えられなくて、リスクの高いローンであるにも関わらずあまり問題になっていませんでした。

しかしながら、2006年に住宅バブルがはじけて、ローンの返済ができなくなった時に、住宅を売ってローンを返す、ということが出来なくなりました。50万ドルの住宅ローンを組んでいたのに、返済できなくなって住宅を売っても30万ドルにしかならなかったら、返済金額が足りませんよね?普通に考えれば、日が経つにつれて住宅の価格が下がるのは当然です。

さらに、住宅ローンの金利も上がり、サブプライムローンを滞納する人が急増して、住宅を売っても返済できない人がたくさん出てきました。これが、サブプライムローンの不良債権化です。ローンの焦げ付きです。

そうすると、サブプライムローンの債権を持っている債権者は大きな損失を被るわけです。貸したお金が返ってこないのですから当然です。しかも不幸なことに、サブプライムローンは債権化されて、様々にかたちを変えて商品として売られていました。そういった商品全体に影響が出てしまったわけです。

だから、そういう金融商品の価格も暴落して、多岐にわたる金融機関や投資家が大きなダメージを受け、アメリカの大手投資銀行ベアー・スターンズがまず経営危機に陥りました。ベアー・スターンズは政府による救済措置で破綻は免れましたが、その後、投資銀行リーマン・ブラザーズが経営危機に陥り、破綻しました。その後も、米国だけでなく世界中の企業が影響を受け、経済活動が縮小しました。

これが、リーマンショックの大まかな流れです。

次に、作中で頻出する用語の解説をしたいと思います。正直、詳細に説明してもあまり意味が無いし、難しくなりすぎてしまうので、シンプルに最低限の説明をします。

 

MBSとは?

MBSとはMortgage Backed Securitiesの略で、日本語では不動産担保証券と言います。

銀行が貸し出した住宅ローンをまとめて証券化(商品化)したものです。

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CDOとは?

CDOとはCollateralized Debt Obligationの略で、日本語では債務担保証券と言います。

CDOはローンや公社債を担保にして、発行された証券(商品)です。今回のケースでは、CDOの担保の中にサブプライムローンを組み込んでしまっていたわけです。

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CDSとは?

CDSとはCredit Default Swapの略です。

CDSは、簡単にいえば保険です。例えば、企業の倒産保険がわかりやすいです。ある企業が倒産した場合に保険料が支払われる契約で、契約者は月々の保険料を払います。自動車保険と同じですね。毎月保険料を支払って、事故が起きたら保険料が支払われる。

作中の人物たちは、MBSの価値が下落した時に、巨額の保険金が手に入ることを条件として、CDSの契約を結びます。契約した時は、誰もサブプライムローン市場が崩壊するなんて思ってませんから、各銀行は喜んでCDSを売りました。金融機関からしてみれば、リスク無しで毎月多額の保険料が入ってくる、という思惑なわけです。

この金融用語が、本作における肝と言っても過言ではないでしょう。

 

まとめ

リーマンショックとサブプライムローン問題について調べれば調べるほど、当時の金融機関の愚かさが浮き彫りになっています。目先の利益に目がくらんで、リスクを考えずに取引することの怖さがいやおうなしに焚き付けられます。

現在では、リーマンショックの反省を活かし、各金融機関は同じようなことが起きた時に対するリスクマネジメントをしっかり行い、政府も規制をしっかりと作ったようです。

個人的には、複雑な金融派生商品(デリバティブ)というのは、金融機関が投資家に商品を売るために無理やり作り出したものが多いという印象です。

投資をする際には、自分がきちんと理解しているものを買いましょう。わけのわからない商品を買っても、正確な判断はできません。

(本記事における解説は初心者の方を意識したため、理解するための複雑な仕組みを省略している部分があります)

 

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