さようなら、憂鬱な木曜日

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さようなら、憂鬱な木曜日

サラリーマンの投資ログなど

「高くてまずい社員食堂は一体何がいけないのか」 まずい社食は社員を陰鬱にさせる

仕事・働き方 エッセイ

その社員食堂は、高くてまずい。自分で好きな小鉢や主食を選んで、最後に合計を精算するシステムになっているが、ご飯、味噌汁、小鉢、おかずをトレーに載せて精算すると、だいたい700円は超える。社食でこれは高い。

社員食堂というのは、福利厚生であって然るべきだ。ある程度の大企業なら、自社の食堂を会社の内部に保有している、あるいは外部委託しているところも多いだろう。しかし、福利厚生で導入している社員食堂も、高くてまずいのであれば、それは会社を弱くする要因になりかねない。

 

■高くてまずい社員食堂は一体何がいけないのか

まず高いことである。社員食堂というのは、正直言って営利を求めなくていい。原価を回収できればそれでいい。そこに利益など求める必要はない。いや、正確に言えば、利益を社員の財布に求めるべきではない。社員食堂は安くてはならない。なぜならそれは福利厚生であるべきだから。どうしても高くなってしまうのならば、企業が半額でも負担するべきである。

百歩譲って、高いのはまあいい。もっと悪質なのは、まずいということだ。まずい食事は気分が悪くなる。まずいランチの後の仕事なんて、捗るわけがない。まずい社食は社員を陰鬱にさせて、社員の生産性を低下させる

 

■健康な身体なしに、良い仕事は出来ない

社食というのは、社員の健康管理に大きく関わってくる。安くて美味しくてヘルシーな社食がある企業は強いだろう。強い社員が育つ。社食というのは、企業内部にあって移動しなくて良いわけだから、時間的にも節約できるし、評判のいい社食なら毎日そこで食べる社員もいるだろう。そこで、栄養バランスを考えた美味しい食事を提供できるならば、これは最も効率的な社員の栄養管理になるのだ。毎日、昼食にカップラーメンやコンビニ弁当を食べている社員がいる会社が強いわけがない。人間は美味しいものを食べないと元気が出ない。

リーマンショックの頃、経費削減で多くの会社が社員食堂を閉鎖したというニュースを見た。社員食堂は軽視されている。福利厚生の中で最も大事なひとつと言っていい。健康な身体なしに、良い仕事はできない。絶対に。

 

■社員食堂はいらない?

ここまで言っておいて何だと思うかもしれないが、ここまでの私の主張は真っ当だとは思っていない。正当な主張ではなく、ただのわがままだ。ただの愚痴だ。健康管理くらい自分でしろ。社員食堂がそもそもない会社だってこの世の中にはたくさん存在する。

そんな中、社員食堂に関する言説で、経営者側からの面白い視点を書いた記事があった。サイバーエージェントの藤田晋社長である。藤田氏は「豪華な社員食堂はいらない」というタイトルの記事の中で、こう記している。

米シリコンバレーのネット企業にならい、日本でもランチなどを無料で提供する会社が増えています。ものすごく豪華な社員食堂を設けている会社もあります。しかし、そんな会社の社員が「ぜんぜん、おいしくない」と話しているのを耳にしました。最初は、有り難みを感じていたその社員も、既得権益化した結果、文句を言うようになったのです。

これを聞いた時、サイバーエージェントでは食堂をつくるのをやめよう、と思いました。

(出典:豪華な社員食堂はいらない (藤田晋氏の経営者ブログ) :日本経済新聞 

この記事の趣旨は、「当たり前になってしまった福利厚生に、社員は有り難みを感じなくなる」というものだが、私は「いやいや、おいしい社食にしろよ」と感じてしまった。おいしくない社食を「ぜんぜん、おいしくない」と言って何が悪いのだろう。そういう声があるのなら、おいしくなるように努力する、という選択肢はないのだろうか。ちなみに藤田氏の記事はこう続く。

代わりに、既得権益化しないよう、いろいろと工夫して「食」のサービスを提供しています。そのひとつが、不定期でデリバリーピザを配るというもの。普段、食事を提供しない会社がたまに配ってくれるとあって、社員には喜んでもらっています。

え?え?ピザですか?

どうやら、藤田氏と私とでは、福利厚生に対する考え方が違うようだ。社食の代替としての発想がピザ。社員を生活習慣病にしたいのかな?

余談だが、私はサイバーエージェントという会社の社風が大嫌いだ。なぜなら、チャラいからである。チャラい社会人とは仕事をしたくない。いくら有能でも、茶髪のビジネスマンとは目を合わせたくない。

ベンチャー期のサイバーエージェントは、野心があって好きだった。藤田氏の著書『渋谷で働く社長の告白』はとてもエキサイティングで何度も読み返した。しかし、今はどうだろう。東証一部上場企業としての品格は備わっているのだろうか。

だいぶ脱線した。さて、社食関連にまつわる話で、もうひとつ興味を惹かれた記事がある。

早め出社、社食は無料 デンソー、7月から コアタイム1時間短縮 :日本経済新聞

トヨタの子会社であるデンソーが、朝7時~7時半の間、社食を無料にするサービスをしていた、という記事である。3ヶ月の期間限定だということだが、朝方勤務に対する取り組みらしい。

このような取り組みは素晴らしいと思う。早めに出社して、早めに退社する。身体のバイオリズム的には、遅めに出社して夜も更けた頃に退社より、明らかに健康的だ。しかも、8時以降の残業は原則禁止とのこと。これこそ、社員の健康を考えた福利厚生というものだ。

多くの企業にとって、一番の財産は「人」である。人を大事にしない企業は決して伸びないと思う。経営者は、社員の健康管理まで考えてこそ、一流だと思っている。