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日大アメフト部の悪質タックルは法律的にどういう問題があるのか調べてみた|刑事事件の可能性は?

日大アメフト部の悪質タックルに対する批判が収まりません。

あの動画が広まるにつれて騒動はどんどん大きくなっていますが、日大側からは不誠実なコメントや不穏な噂しか流れてきません。

現在のところ、私が確認している情報としては、

  • 日大側は故意であることを否認
  • メディアの取材では、監督からの指示があったとの証言あり(ソース
  • 他大学が日大アメフト部との試合を中止
  • スポーツ庁長官が事情説明要求へ

こんなところです。

 

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さて、何度見てもひどいタックルなのですが、私は以前の記事でも書いたように、「これって法律的にオッケーなの?」という疑問がずっと心の中で燻ぶっていました。

悪質すぎるプレーは犯罪行為ではないのか?|日大アメフト部の殺人タックルが許せない(動画あり)

だって、もしこれわざとやってて、法律的に問題ないとしたらダメじゃないですか?

 

ということで、一個人として、今回の悪質タックルをめぐる法律関係について、勉強がてら調べてみることにしました。

ちなみに、私は法学部の出身でもなければ、当然弁護士資格も持っていません。法律素人のお勉強記事として読んでください。

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刑事裁判と民事裁判の違い

まず前提として、「民事」と「刑事」の違いを理解しておく必要があります。

簡単に言うと、「民事」は私人同士の争いで、「刑事」は国が刑罰を処するための手続きです。

今回のケースで言うと、被告がタックルした選手なのはどちらも変わりないですが、原告(訴える方)は、民事の場合は関学大のクオーターバックの選手、刑事の場合は検察官、という感じです。

刑事裁判で罪が言い渡された場合、懲役や無期刑、最悪死刑まであります。

 

 

刑事裁判だったら?

まずは、今回の悪質タックルが刑事事件としてとらえられた場合の仮説を立ててみます。

まず、考えられるのは傷害罪です。

(傷害罪)

刑法第204条 人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

この傷害罪が認定されるためには、「故意」であることの立証が必要になります。

刑事責任における故意とは「罪を犯す意思」のことですが、要するに、日大の選手が関学大の選手を「ケガさせるつもりでタックルしたかどうか?」が問題となってくるわけです。

 

それから、過失傷害罪

(過失傷害罪)

第209条
過失により人を傷害した者は、30万円以下の罰金又は科料に処する。
前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

 ここでは、「過失」があるかどうかが問題となりますが、「過失」とは、その結果を予測することができたにも関わらず、その注意を怠っていたり、その結果が回避できたにも関わらず、回避するための行為を怠ることを言います。

今回のタックルは、「過失」による傷害と言えるでしょうか?うーん、素人ではなかなか判断がつきかねます。

ちなみに、過失傷害罪は告訴がなければ国(検察)は動きません。

 

刑事事件でざっと目についた罪はこれくらいですね。

ちなみに、刑事事件で起訴されると99.9%が有罪になるそうです。検察による捜査の結果、確たる証拠がない場合には、不起訴処分といって、裁判まで至りません。

 

 

民事裁判の場合は?

それでは、次に民事裁判の観点から見てみましょう。

民事の場合は簡単です。

(不法行為による損害賠償)

第709条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

この不法行為に該当するかどうかですね。

ここでも問題になってくるのは、「故意」又は「過失」があったかどうか、です。

いろいろな人の意見を読むと、スポーツにおけるケガにおいて、「故意」を立証するのは難しいらしいので、立証するとすれば「過失」です。

過去の判例から言うと、ケガに起因するプレーが、

  1. 競技ルールを遵守したものか
  2. 負傷結果発生についての予見可能性の程度
  3. プレーヤーがいけ入れていた危険性を逸脱するものでなかったか

などが考慮されるようです。

 

 

過去の判例はどのようなものがあるのか?

さて、そろそろ頭が疲れてきましたが、法律を学ぶためには、過去の類似の判例をさらうことが非常に重要になります。ちょっと見てみましょう。

東京地裁平成元年3月30日判決

この裁判は、「5番ホールでゴルフをしていたら、4番ホールでラウンドしていた人のティーショットが当たって右ひじを打撲した」という事案です。

これは、4番ホールのプレイヤーは安全確認や注意を怠ったとして、「過失」があるものと認定されました。

ゴルフ関連の判例はこれだけではなく、過失が認定され、賠償支払い命令が下されるケースが割とあるようです。

 

東京地裁昭和45年2月27日判決

この裁判は、「ママさんバレーをやっていて、スパイクしたら着地時にバランスを失って、相手選手に激突してケガを負わせた」として争われたものです。

この裁判では「違法性除却事由」に該当するとして、訴えが退けられました。

この「違法性除却事由」というのは、スポーツで言えば、「スポーツなんだから多少のケガは当たり前。社会的に容認される範囲内の行動であれば、違法性はないんじゃないの?」というものです。

 

スポーツによるケガの場合、この「違法性除却事由に該当するかどうか?」が問題になるケースが多いようですが、今回の悪質タックルは「社会的に認容される範囲内の行動」であったと言えるのでしょうか?

 

 

まとめ

私が観測した範囲では、ネット上では今回の悪質タックルを「罪に問うべき」という意見も散見されています。

もし罪に問うならば、「故意」「過失」「違法性除却事由」などが問題になってくるようです。

あと、個人的にぐさっと来たのが、「そのプレーが社会的に容認される範囲内の行動であるかどうか」の判断がなされるというところです。

部外者である私が言うべきことではないのかもしれませんが、やはり、多くの人が「おかしい」と思うことは、正されるべきであると思います。

メディアによる報道では、「監督からの指示だった」と言われていますが、事実であれば許されるべきことではないし、取材レベルではなく、捜査レベルで事実を解明してほしい、と感じています。

 

最後に、本記事は法律の素人が、メディアで報道されている情報を基に、独力で調べてただまとめただけのものです。

今までに見た法律ドラマは、「アリーmyラブ」と「99.9」、映画「それでも僕はやってない」ぐらいの人間です。

専門的な観点や、確たる根拠は一切ありませんので、そのあたりを踏まえつつ、読み物として読んでいただければ幸いです。

 

 

参考

刑事裁判と民事裁判の違い - 弁護士ドットコム

スポーツで人に怪我をさせた場合、故意でなくても賠償責任を負うことがある? | 法律事務所・弁護士への相談ならLegalus

御器谷法律事務所ホームページ・スポーツ事故

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